白内障は、一般的にはかすみやまぶしさなどが中心で、痛みを主症状とする病気ではありません。白内障がある人でも、眼が痛むときは別の原因が重なっていないか確認が必要です。
また、手術前の痛み、麻酔を使う手術中の感覚、術後の不快感は分けて考えます。「白内障だから痛くても仕方ない」「手術後は必ず無痛」と決めつけず、相談や連絡の目安を押さえましょう。
手術前の痛みを白内障だけと決めない

白内障の診断を受けていても、痛みがすべて白内障によるとは限りません。症状の変化と、見え方の低下があるかを確認します。
一般的な白内障はかすみやまぶしさが中心
一般的な白内障では、水晶体の濁りにより、かすむ、光がまぶしい、見え方が低下するなどの症状が起こります。強い痛みや充血は、典型的な主症状として扱われていません。
白内障と同時に、角膜や眼表面の問題、炎症などがある場合もあります。「白内障があるから」と痛みを説明しきらず、いつから、どちらの眼に、どの程度あるかを眼科に伝えましょう。
逆に、痛みがないことだけで眼が健康だと判断することもできません。視力や視野の変化がある場合は、痛みの有無にかかわらず検査を受けることが大切です。
強い眼痛・吐き気・急な低下は速やかに評価する
強い眼の痛み、吐き気、急な視力低下などがある場合は、速やかな評価が必要です。急な眼圧上昇なども原因の候補になりますが、症状だけで病名を自己判断することはできません。
市販の点眼で数日様子を見る、白内障の手術予約まで待つといった対応をせず、眼科に連絡してください。見え方が悪い状態や吐き気があるときは、自分で運転して受診しないようにします。
連絡時は、症状が始まった時刻、痛みの強さ、充血、見え方の変化、吐き気などを伝えます。急に悪くなったのか、徐々に続いているのかも、診察の手がかりになります。
手術中は麻酔で痛みを抑える

白内障手術では麻酔で痛みを抑えます。ただし、感じ方や麻酔の方法は全員同じではなく、不安は事前に相談できます。
基本は局所麻酔で行い、光や触れられる感覚がある
白内障手術は、基本的には局所麻酔で行います。点眼麻酔などを用いますが、眼や全身の状態、施設の方針に応じて方法を選びます。すべての人が眠っている間に終わる手術ではありません。
意識がある場合、光が見える、触れられる感覚や圧迫感を覚えることがあります。麻酔は痛みを抑えるために使いますが、何も感じないことを一律に保証するものではありません。
痛みや強い不安があるときは、その場で術者やスタッフに伝えてください。急に頭や体を動かさず、どのように合図をするかを事前に聞いておくと、必要な対応を受けやすくなります。
不安や体位・持病は術前に相談する
仰向けでいるのが難しい、咳が出る、以前の麻酔で問題があった、手術への不安が強いなどは、術前に伝えておきましょう。持病や服薬も、麻酔や当日の対応を検討するうえで重要な情報です。
麻酔の方式や鎮静を使うかは、個別の状態に応じた判断になります。「不安だから眠る薬を増やす」「出血が心配だから内服を止める」といった自己調整は避けてください。
いつもの薬の扱い、当日の食事や帰宅方法について、手術施設の指示を確認します。不安を我慢して当日を迎えるより、何が心配なのかを具体的に相談することが大切です。
時期別の痛みの考え方
| 時期 | 考え方 | 行動 |
|---|---|---|
| 手術前 | 白内障以外も確認 | 強い痛み・急な低下等は速やかに受診 |
| 手術中 | 麻酔で痛みを抑える | 痛みや不安はその場で伝える |
| 術後 | 軽い不快感はありうる | 強い・増す痛みや低下はすぐ連絡 |
表は診断を決めるものではありません。強い痛みや急な見え方の変化は、時期にかかわらず速やかに相談してください。
術後の不快感と早く連絡する痛み

術後には軽い不快感が出る場合がありますが、強い痛みや悪化を「正常な回復」と決めることはできません。
軽いごろつきと強くなる痛みを区別する
手術後に軽いごろつきや異物感などを感じることがあります。ただし、どの程度か、強くなっていないか、見え方の変化を伴うかを確認する必要があります。
「術後何日までは痛くても正常」という一律の境界はありません。点眼や眼の保護は施設の指示に従い、眼をこすらず、気になる症状を診察で伝えてください。
軽い不快感でも、続く、悪化する、普段の生活に支障がある場合は相談します。自己判断で鎮痛薬や点眼を増やすのではなく、現在使っている薬を伝えたうえで対応を確認しましょう。
低下・強い充血・光や飛蚊を伴う時は診察へ
強い痛み、痛みの増加、急な視力低下、強い充血がある場合は、次回予約まで待たず手術施設に連絡します。光が走る、飛蚊症が急に増える、視野に影がかかるなどの変化も、診察が必要な症状です。
連絡前に整理したい情報は次のとおりです。
- 手術日と、症状が始まった時刻
- 痛みの強さと増減
- 充血、見え方の低下、吐き気の有無
- 光・飛蚊症・視野の変化
- 使用中の点眼と内服薬
症状だけで原因を決めることはできません。術前に夜間・休日を含めた連絡先を確認しておき、急な異常は早く相談してください。海外資料にある薬や用量を、自分の術後の指示として使うことも避けましょう。
よくある質問

白内障なら痛くても仕方ない?
白内障があることだけで痛みを説明しきることはできません。一般的な白内障は痛みを主症状とせず、別の原因が重なっている可能性があります。特に強い痛みや急な低下は速やかに評価を受けてください。
術後の痛みは我慢してよい?
強い痛み、悪化する痛み、急な視力低下や強い充血を伴う場合は、我慢せず早く手術施設へ連絡します。軽い不快感でも続く場合は相談し、点眼や薬を自己判断で変更しないでください。
まとめ

白内障の痛みは、手術前・手術中・術後を分けて考えます。手術前の強い眼痛は別の原因も確認し、手術中の痛みや不安はスタッフへ伝えましょう。術後の強い痛みや急な低下、充血は予約日を待たず連絡が必要です。症状の時期と変化を具体的に伝えてください。
参考情報

- NHS Gloucestershire Hospitals「What is a cataract?」
- 日本眼科学会「白内障手術」
- NEI「Cataract Surgery」
- Oxford University Hospitals白内障手術患者資料
- 国立長寿医療研究センター「目がかすむ」
- 日本眼科学会「緑内障」
- NEI「Cataracts」
- NEI「Retinal Detachment」
参考情報の確認日:2026年10月2日
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