老眼のコンタクトレンズの度数はどう決める?表示の読み方と検査の流れ

コンタクトレンズで遠くは見えるのに、スマホや書類を読むのがつらい。そんなとき、箱に書かれた度数を少し変えればよいのか迷う方もいるでしょう。

老眼への対応では、遠くを見るための矯正と、近くを見るための補助を分けて考えます。度数表示だけで合うレンズを決めず、普段の作業距離、乱視や左右差、レンズの装用状態まで確認することが大切です。この記事では、処方情報の読み方から検査・試用・再確認までの流れを紹介します。

老眼の度数はPWRだけでは判断できない

処方はPWRとADDを分けて確認。PWR・SPH:主に近視・遠視の球面度数。視力の数字とは別、ADD:近くを見るための補助量。区分は製品ごとに異なる、自己変更しない:マイナスを弱めると遠方が見えにくくなる場合も

コンタクトの度数は一つの数字だけで決まりません。特に遠近両用では、遠方の矯正と近方の補助に異なる項目が使われます。まず今の製品が何を補う処方なのかを確認しましょう。

PWRとADDは異なる役割を持つ

PWR、POWER、SPHなどは、主に近視・遠視を矯正する球面度数の表示です。一方、ADDは遠近両用などで近くを見るために加える補助量を示します。どちらもレンズの屈折力に関わる表示で、視力検査の「0.7」「1.0」とは意味が異なります。

例えば、箱にPWRとADDの両方があるなら、PWRの数字だけを見て「老眼用の強さ」と判断できません。乱視用ではCYLやAXISなども関わります。左右で処方が違う場合もあるため、両眼分の箱や処方情報をそろえて相談してください。

また、ADDをLOW・MID・HIGHなどで表す製品もあります。この区分は全メーカー共通の換算表ではありません。年齢から加入度数を決めたり、似た表示の別製品へ処方をそのまま移したりせず、製品名と処方全体を確認します。

マイナスを弱めると遠方が見えにくくなることがある

近視のマイナス度数を弱めると、近くを見るときの調節の負担が軽くなる場合があります。ただし、遠くをはっきり見るための矯正も弱まるため、標識やテレビなどが見えにくくなる可能性があります。

ここで注意したいのが、単焦点レンズを弱めることと、遠近両用のADDを調整することは同じ操作ではない点です。手元の不便が同じでも、適した対応は今の処方や用途によって変わります。

「スマホが読めるようになった」という結果だけでは、通勤や運転にも適した処方とは判断できません。通販で度数を順番に下げて試すより、遠方に必要な見え方を保ちながら近方をどう補うか、眼科で相談しましょう。

検査では遠方・中間・近方とレンズの状態を確認する

遠方・中間・近方と適合を評価。眼の検査:屈折・乱視・左右差、涙や眼表面も確認、普段の作業:スマホ・画面・資料の距離と作業時間を伝える、試用後も確認:手元だけでなく遠方とのバランス、残る不便を相談

診察では、老眼の有無だけでなく、現在の矯正や眼の状態を確認します。手元のぼやけが、加入度数の不足だけで起きているとは限らないためです。

裸眼・矯正視力、乱視、左右差を調べる

検査では、裸眼での見え方、レンズで矯正した視力、屈折の状態などを調べます。乱視や左右差、遠用の度数が強すぎる可能性も踏まえ、必要な検査は医師が選びます。今の眼鏡でも同じように困るかを伝えると、比較の手掛かりになります。

コンタクトでは、度数が合っていても涙の不安定さやレンズの適合によって見え方が変わることがあります。夕方に遠近ともかすむ、瞬きで一時的に変化する、乾燥感がある、といった情報も伝えてください。ただし、その変化だけでドライアイと確定することはできません。

眼鏡とコンタクトは眼からの位置も異なります。眼鏡の数字をそのままコンタクト注文に使わず、眼表面やレンズの状態も含めて処方を受けることが大切です。

パソコンやスマホの普段の距離で試す

検査用の近見表が読めても、普段のパソコンや書類を長く見るのが楽とは限りません。手に持つスマホ、机に置いた画面、会議資料では、それぞれ見る距離や視線の移動が異なります。

相談時には「近くが見えない」だけでなく、「画面は読めるが机の資料に切り替えるとぼやける」「夕方の細かい文字がつらい」と具体化しましょう。可能なら普段の距離も測り、作業時間や運転の有無を伝えます。資料を持参してよいかは医院に確認してください。

新しいレンズを試す際も、手元だけに注目せず遠方・中間・近方のバランスを確認します。試用後に再調整が必要になることもあるため、困る場面が残ったらどの時点で相談するか、受診時に聞いておくと安心です。

矯正方法と度数の相談項目

方法 変えるもの 確認する見え方 注意
遠近両用CL 遠用度数と加入 遠・中・近 遠近のバランスと適合
単焦点CL+近用眼鏡 CLと眼鏡を別に処方 手元作業 眼鏡を外す場面も確認
低矯正 遠用矯正量 遠方と近方 運転に必要な見え方を落とさない

低矯正を含め、適応や変更量は検査で判断します。近用眼鏡を掛けたまま遠方を見たり運転したりする用途には、別の確認が必要です。

度数以外の選択肢と受診前の準備

度数変更以外の方法と準備。方法を比較:遠近両用、単焦点コンタクト+近用眼鏡、用途別の矯正、情報を持参:両眼の箱・処方、今の眼鏡、距離・時間帯・運転の有無、急な異常は受診:痛み・強い充血・急な低下では装用を中止して相談

近くを補う方法は、コンタクトの度数変更だけではありません。仕事で長く見る距離と、外出で必要な見え方を分けると、選択肢を比べやすくなります。

遠近両用、眼鏡併用、用途別の矯正を比較する

単焦点コンタクトを続け、その上から手元用眼鏡を掛ける方法があります。一定距離の書類を長く読む場合は、眼鏡をその距離に合わせて相談できます。一方、会議で相手と資料を何度も見るなら、掛け外しを減らせる遠近両用コンタクトが候補になります。

ただし、遠近両用でも細かい文字や暗い場所で追加の眼鏡が役立つ場合があります。一本・一枚で全場面を完全に補えるとは限りません。また、近視の人がコンタクトを外すと近くを読めても、顔を近づけすぎずに作業を続けられるかは別に確認します。

選ぶ基準は、掛け替えの回数だけでなく、必要な遠方視力、長時間の姿勢、乾燥や装用負担です。何を優先したいかを伝え、実際に試した見え方で比べましょう。

困る場面を記録し、急な異常は調整より受診を優先する

受診前は、次の情報を短くまとめておくと相談が具体的になります。

  • 両眼分の製品名・箱・処方情報
  • 普段の眼鏡と、最後に処方を受けた時期
  • 読みにくい物と、その距離
  • 朝夕の違い、装用してからの時間、左右差
  • 運転や仕事で必要な遠方の見え方

ただし、急な片目の視力低下、痛みや強い充血、光が走る感じなどがある場合は、記録や度数調整より受診を優先してください。コンタクト装用中に痛み・充血が出たら装用を中止し、点眼で我慢して使い続けないようにします。

よくある質問

コンタクトの度数の疑問。視力から換算できる?:視力とレンズ度数は一対一ではなく、検査で判断、ADDを強くすればよい?:設計・適合・遠用処方とのバランスも関わる

視力から度数を換算できる?

視力とレンズ度数は一対一で対応しません。同じ視力でも近視・遠視・乱視の状態などが異なり、必要な処方は変わります。視力の数字から通販の度数を決めず、検査結果と使用目的に基づいて相談してください。

ADDを強くすれば全部よく見える?

ADDを強めれば遠方も近方も一様に改善する、とは限りません。レンズ設計や適合、遠用の処方とのバランスが関わります。読みたい距離と遠方の見え方を一緒に確認し、製品に応じて調整します。

まとめ

遠用矯正と近用補助を別に評価。表示を理解:PWR・ADDの役割を分ける、生活を伝える:処方情報・眼鏡・困る距離を持参、試して再確認:遠近両用と眼鏡併用を比較し、遠方と作業の見え方を確認

老眼のコンタクト処方では、PWR・ADDの意味を理解したうえで、遠方の矯正と近用補助を別に評価します。箱の数字だけで変更せず、普段の眼鏡・処方情報と困る距離を持参しましょう。近用眼鏡の併用や遠近両用も比較し、試用後は仕事や外出で必要な見え方が保てているか確認することが大切です。

参考情報

この記事の参考情報。日本眼科学会・日本老視学会:老視/成人の視力検査・眼鏡処方/ドライアイ、メーカー・医療機関の資料:アキュビューの度数表示/国立長寿医療研究センターの目のかすみ

参考情報の確認日:2026年10月2日

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